Friday, November 22, 2013

緑アリのドリーミング その2


シドニー空港から、5時間半のフライトでオーストラリア最北の都市、ダーウィンへ。成田から5時間半も飛んだら、シンガポールあたりまで行くんじゃないでしょうか。オーストラリアはとにかくデカいです。

ダーウィンに着いたら、今度は予約済みの三菱の四駆キャンパーバンでひたすら東へ走ります。冬だというのに、赤道にほど近くに位置するここダーウィンはとにかく暑い。永遠とつづくかのような真っ直ぐな道を、数百キロも走ると有名なカカドゥ国立公園に入りました。
公園内をさらにもう百キロひた走り、ジャビルーという人口たったの1000人余りの町に到着です。実に閑散としていて、耳鳴りがするほどの静けさ。ちょぼちょぼと人が見えますが、すべて見事なまでに真っ黒な肌をしている、原住民アボリジニの方ばかり。白人ばかりのシドニーとは大違いです。

この辺鄙な町で自分たちは、これから訪れるアボリジニの管理居住区、アーネムランドに入るための許可証を得る必要がありました。オーストラリア大陸では、白人の入植によって原住民のほとんどの土地は奪われましたが、この土地は、いまだに彼らの土地として厳密に管理保護されているところです。

ノーザンランドカウンシルというところから、訪問先(受け入れ先)や訪問理由を聞かれ、日本円で数千円程度の通行料を払って、完了です。

一つだけ、忠告されたことがありました。アーネムランドへ入るには、アリゲーターリバーという川を渡らないと入れない。しかも、その川の水位は、潮の満ち引きで上下し、引き潮の時間を狙っていかないと無理。だから、今日はもう遅いね。ということでした。

そうです。勘がいい人はもうお気づきのことと思いますが。アリゲーターとは、あの巨大人食いワニのこと。ウヨウヨいるので、そんな恐ろしい名前の川になったそうです。

対応して頂いた職員のオバサンは、おつりを渡しながら、もう一つ。と言って、最後に付けくわえました。

「もしも、川を渡っている途中で車が深水にはまって立ち往生したら、車内から出るな」なんというありがたい忠告。
ジャビル―にあるノーザンランドカウンシル

とりあえず、川から一歩手前のキャンプ場でその晩は、夜を明かすことにしました。干潮は、翌朝5時半です。キャンプ場は、日が暮れると同時に今まで経験したことのないほどの蚊の大群がやってきました。まるでヒッチコックの「鳥」さながらの蚊の大群は、キャラバンの小さな窓に取り付けられた網戸を外の景色が見えなくなるほどぎっしりと埋め尽くし、不気味な音を奏でていました。というわけで、トイレにも行けず畳三条ほどの狭いキャラバンの中で、蚊の協奏曲を聞きながら朝まで過ごす羽目に。

つづく。

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